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体の声を聞き、セラトニンを出す

ロサンゼルスは今年は特に快晴続きで、近場で山火事が多発。そして昨日もアーバインという南の方の住宅街付近で山火事。多くの人が避難を強いられた。

どうか皆様ご無事でお過ごしください。

 

数日前、本当に久しぶりに、体全体が痛くて、重くて、起きているのがやっと、、、と言うほどに身体がしんどかった。熱もないのに、身震いがして、寒くて、手足が異様に冷たくて、もう全く自分の体では無くなっていた。

実はその日、しんどかった上に、温まるかなと出していただいた緑茶(ものすごく美味しかった〜)を断らずに頂いてしまったのだ。コーヒーのカフェインは月に1度か2度それも一口か二口とる程度。緑茶のカフェインはもう一年以上取っていなかった。その日のうちに雨が降り、2−3日曇り空が続き、また気温もキューッと下がった。

そう言う環境が私の体には一番堪える。

 

 

何か天災が起こるのを予知しているかのように、体はよく反応する。多分動物的本能が強いに違いない。

 

カフェインでも眠れない事がよくあるが、それ以外にも色々理由があると言う事がやっとわかって、自分で自分のことを『不眠症』だと思わなくてもよくなった。思いつく当時の不眠の原因は一つづつ削除。

 

『不眠症でなくなった私の場合』

 

1)若かりしころは、とにかく忘れ物が酷かった。学校に忘れ物をしない日が1日として無かった。小学校2年生の担任だった先生は一つ忘れると自分の椅子に正座、二つ忘れると床に正座、3つ忘れると廊下に正座、、、。たまに廊下に正座という日もあった。だから忘れ物を恐れるようになって、眠れなくなった。その後も小学生卒業の頃まで、真夜中に誰かが私の忘れ物や忘れ事をカバーしてくれている事に突然気がついて、恥ずかしいやら、何やらで居ても立っても居られない気分になって、眠られなくなった事多し。

 

2)カフェインに弱くいということを知らず、お茶所”静岡”生まれ育ち。1日に5−6杯平均で緑茶を飲んで過ごす県民たち。両親ともに緑茶生まれ育ち。毎日濃い真緑のどろっとしたお茶から薄緑の綺麗なお茶から、いろんな子さの緑茶を水のようによく飲む。冬場は暖かいうがい用の水筒をみんな持たされたが、ほとんどの子は緑茶を持ってきていた。私がまだ子供の頃、母親が東京のお友達を訪ねたら、”紅茶をご馳走になった”と、生まれて初めての紅茶に感激していた。私は別の友達のお宅で紅茶をご馳走になった事があったので、「母親に勝った!」と、変な自尊心が芽生えた。

 

もちろん私自身、自分のカフェインの弱さを知らず、家族と一緒にガブガブ飲んでいたから、夜中起きている事が苦痛では無かったにもかかわらず、昔の教育上早寝早起きがいいとされていたから、9時には布団に入らされた。布団に入って何時間も眠れないほうが苦痛だ。好きなことをして眠れない時間を過ごしたかった。。。

 

3)中学生くらいになったら、親の部屋と子供たちの部屋と離れのようなところで別れていたので、「早く寝なさい」と言われる事がなかったので、困らないギリギリの時間起きていた。学校で部活の朝練習など6時くらいには起きていたと思うから、12時過ぎに寝ていたらきっとヘロヘロになっていたと思うが、多分試験前でもずっと編み物をしたり、寝たくない理由の方が多かったな。この頃は朝は親が起こしてくれたから、寝坊して困る切迫感はなく、それが不眠の原因になることも無かった。

NYで単身赴任しているかたが、「一番辛いのは、朝誰にも起こしてもらえない事。もし寝坊したら、、、と思って安心して寝られない」とおっしゃっていたのを覚えている。私も19歳からその恐怖があったのだと思う。口に出して言ったことはなかったのだが。一人暮らしの皆さん、多分みんなその恐怖ありますよね。心身的な不安からの不眠。。。これもよくあるあるパターン。

結婚してから夫が私より必ず早起きで、出掛ける頃には必ず、物音で目を覚ますから、この心配事はかなり少なくなった。コロナ中、結構睡眠は充実していた。

彼が出張で不在の時や、たまに彼より早く起きなければならない仕事がある時などは、できるだけの準備をしてからでしか、ゆっくり寝付けない。

要は前日に次の日に備えているということ。

と言っても、つい先日この体のダルさが開けきれない頃、間滅多にない午前中のアポイントメントをすっかり忘れそうになった。油断大敵!

 

4)考えても答えの出ないタイプの悩み事。若い頃は、金策も、時間策も、技術策、人間関係諸々悩みの塊だ。夫と知り合った頃「なんでいつもそんなに悩んでいるの?悩む事に意味はないよ」とかるーくあしらわれた。確かに、、、ではどうやって?!と思ううちに、歳とともに自分に関しての悩みは自分で解決できるようになった。自分で不自由を感じたところに一つづつ焦点を当てて、時間とともに優先順位を立てて解決することを学んだ。でも自分以外の人の悩みは解決策を探すことはできても、実際解決することは出来ない。そして見つけた解決策が本当にうまくいくかどうかも、実際に本人にやってみてもらってからしかわからない。そこで堂々巡りの悩み事とは手を切る事に成功した。自分の生徒たち、自分の子供たち、周りの同僚たちに関しては、悩むことをやめた。

 

5)アルコールは相手がいて発散できる時のみ飲む事にした。1人でお酒を飲んでも、カロリー摂取が気になって、そしてそれを発散出来るほどはしゃげない。私にとっては楽しく大きな声で話して、笑えるから飲むお酒。それ以外の時は不眠の原因になるから、1人ではなるべく飲まない。

 

『眠れない理由を克服したら、今度はどうやって眠りを誘うか』

 

人に何かを頼まれたり、求められたりすると、すぐに期待に添うように反応してしまう事って多いと思う。レスが早いので重宝がられるし、感謝されるとまたついつい調子に乗って動いてしまう。でも、それはある意味危険だ。私たちの体は万能ではないから。大きな達成感を求めすぎると、ついつい頑張りすぎる。

 

精神の強い人はきっと身体が先にガタが来る。体の強い人は精神が先にガタが来る。生まれつき両方強い人もいるのかも知れない。そして生まれつき両方弱い人もいるのかも知れない。それでも皆命という限界はある。それを知ってから、自分の体に素直に生きる事にした。「強い体に強い精神が宿る」というのはやはり受け入れられない。体の弱い人は心が強靭だという例をたくさん見ている。もちろん体を鍛えたら、弱っていた精神が元気になったということはあり得ると思うし、やる気が起こらず身体が全く動かなくなってしまっても、自分の使命に出会って急にやる気になった、、、など聞く事は多々ある。

自分の体と心の声を聞いて、メンテナンスを整えられるようになったら、何をしたってかまわない。自分の持っているものを大切に使えればいいのだ。それまではやはり、自分を知るための勉強をするしかない。時には無茶をして限界にチャレンジしてみるしかない。

 

運動や楽器の練習のしすぎで身体が痛くなったら、やってはいけない事がわかるけれど、何もやっていなければ何がタブーか何をすべきかもわからない。無鉄砲な子供たちや家族、友達がいたら、みんな優しく手を差し伸べてあげたらいい。

 

若い頃、1時間半ずっと吹き続けるようなハードなオーボエのソロリサイタル(オーケストラはそれでもお休みがあるのでその間少しはリカバリー出来るので、2時間半のリハーサルの後にそう言った状況になる事はない)を吹いた後は、たらこ唇になって次の日はほとんど吹けない。それで困ったからこそ、たらこ唇になる原因を考え、たらこ唇にならないリードを作ることを、そしてたらこ唇にならない吹き方を考えるようになった。体力が落ちている今の方が、持久力が上がったように見えるのはその為。

 

学生の頃、2週間毎日の様に、16時間以上座りっぱなしでリードを作り続けた事がある。その当時睡眠は快適だったが、その後お尻の血流が悪くなって、、、皆さん、もうお分かりでしょう。最悪、大変な事になった。自分の限界を身をもって知ったいい例。もう2度としない。ピアニストの先生が1日8時間引き続けて同じ状況になったと言っていた。その2倍だから、、、やっぱり負担は大きかった。

 

ニューヨークにいた頃、何年も週に60時間以上労働をしていた事がある。次の日が早いのにと焦りながら、帰宅が2時を過ぎることもあって寝られなかった。

(私の魔の2時。夜中の2時をすぎると朝の4時過ぎまで寝られなくなるようなのだ)

 地下鉄で行き来していたから、きれいな格好をしていると襲われてひったくりにあったり、危ないと言われていたニューヨーク時代の当時の私を知る人は、伸ばしっぱなしのロングヘア、化粧っ気のない、コンタクトレンズもたまにしかしない、女性らしさのかけらもない服装のNaomiしか知らない。

 

 

結婚する事が決まって、その時間数を40時間ぐらいに減らした頃から、ガクッと身体が動かなくなった。先日全身が鉛のように重く痛くなった時の感覚が、この関節リューマチと言われた免疫疾患を思い起こして、身震いした。(心の中で、大した事ではない、きっと前の日のリングフィットのゲームでいつもと違うフォームが出てきたから、そのせいだと強く言い聞かせて、恐怖と戦った)免疫が出すぎる病気らしい。そして出過ぎた免疫が外敵と自分の区別ができなくなって、自分の体を痛めつける。

自分で自分を必要以上に防御してないけないんだ。これも夫とのパートナーシップが気づかせてくれた、体の危険信号。身体が壊れても支えてくれるという安心感から出たサイン。介護生活に近い暮らし、、、一年半ほどゆっくりさせてもらった。

 

眠りのためにはセラトニンというホルモンが必要になるらしい。リラックスしたり幸福感を感じたりするためのホルモン。よく太陽光線を浴びて得られるメラトニンもセラトニンに変わるらしい。

 

体や心を壊しかけている皆さん!どうかそれは大事なサインだと思って、そこから離れる信号だと思って、自分の心と体の声を聞いてください。

 

自分にどれだけ優しく出来るか、自分がどれだけ幸せになれるか試してください。

幸せだと感じたらセラトニンが出ている証拠。

自分が怠けていると感じたら、それはすでに厳しすぎる貴方のせいです。

本当のナマケモノなら、そこで怠けていると罪悪感に悩むような人はいません。

 

きっとそれに成功したら、ぐーっすり寝られるようになります。

 

心の晴れない方も、自分を一番労ってください。

貴方の身を一番大事に出来るのは、貴方自身です。

 

もう夜中の1時半を回ったので寝支度にかかります。

2時を超えたら明日辛くなります、、、。

また次回まで、ご機嫌よう。