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プチ引きこもり中・コロナ中のケア

HSC という言葉はご存知だろうか。"Highly Sensitive Children" の略だ。HSPは、”Highly Sensitive Person” の略。5人に一人が持つ敏感気質。俗に言う”不思議ちゃん” ”困ったちゃん”たち。ちょっとした言葉で傷ついてしまったり、共感能力が強過ぎて一緒に泣いたり怒ったりしてしまう、ちょっと大きな音に耐えられなかったり、光の強さや色に敏感すぎて文字をを認識できなかったり、思い込みが激しくて人の話が聞けない、極端な人見知り、寒いと暑いを感じ過ぎたり感じなさすぎたり。多かれ少なかれ、そんな特徴はみんな持っているが、障害という名がつく場合は、社会生活に多少困難を来す。周りも本人もどう接していいか分からず困ることも多い。

 

いろんな人がいるので、この世の中は面白くなっていると思うし、いろんな発見も生まれると思うのだが、学校、会社、家庭という集団では、困る事が多い。多数決で全てが決まる様な社会なので、どうしても少数派が弱くなる。自分が困っていても、他の人にはなかなか伝わらない=伝え方が分からない=結果トラブルにつながる。

 

こんな子供を持つ親なら少しはわかっていただけると思うが、あるとき突然地雷を踏んでしまう事がある。芸術家肌?!の私にも多かれ少なかれ、こんな特質を隠れ持ちながら、今まであれこれサバイブしてきたと思う。そして、もう18年近く人の親になっているにもかかわらず、ふと油断した時に、このセンサーにお互いが触れてしまう事がある。夫婦はなるべく距離を保ち、感情に触れないように努める。しかし特に子供相手の場合は。外面のいい私たちは、家族以外ではその刃は内に秘めるだけの理性は保っているのだが、特にVitamin E、相手はティーンのなりかけ。タンカを切ってくる、売り言葉に買い言葉で反応して、リビングルームが炎上する。特にこの”プチ引き籠り”時期と彼女の成長期が重なり、同年代の子供と接することは皆無で、ずっとウチだけというのは、いい面もあればバランスを崩すこともある。

 

どんな時?どんな環境の変化に対応しなければならないのか?と、どんなに難しいことをしなければならないか?!とお思いになるかもしれないが、聞けばきっと本人以外は「え?!たったそれだけ?」というような小さな事。今日の場合は、お習字のレッスン時。しばらくZOOM で行っていた教室だが、少しずつ自粛解除を行う方向で、先生の所でのレッスンを4ヶ月ぶりに再開することになっていた。そのことを受け入れるのに、感情が追いつかない。感情の変化はこんな具合。一時間前「今日はZOOMではなくて先生のところでレッスンだから、支度をしてね!」その途端、彼女の中で始まる感情は、久しぶりに行けて嬉しい=ワクワクする=楽しい=恥ずかしい=「行きたくない」と結果反対のことを言い出す。

そこで私が言ってしまう。「もうお願いしているから、行かないというチョイスはないから、行かないか、やめるかどちらか」 この言葉が間違い。脅し文句に聞こえてしまうのだ。「約束の時間だから支度を。」私のレッスン時間の合間の送迎だから、時間を守らないとどちらも間に合わなくなるので、ついつい急かす。これも間違い。結局長々と行く気になるまで説得を繰り返し、30分の遅刻で30分の短縮で、何とか連れて行く事ができた。いつもと違うことをすると、ちょっとパニックになって感情のコントロールができなくなるということをすっかり忘れて、(というかVitamin Eにとっては、いつもと違う環境だということに気付かない私)前日に話しておかなかった私が悪かった。途中で気がついて「縄跳びもできるようになったし、恥ずかしいのも克服できるよ!」「遅刻してもいいから、行こう」の一言で、機嫌を取り戻した。肯定系の言葉で提案しなくてはならない。恐怖心も人一倍。かなりシュミレーションを行なって人生を送るタイプなのだ。バレエの習い事でも、全く同じ。段階を追って、クラス替えの度、スケジュールが変更になる度に長い時間をかけて納得させる。今回のバレエのクラス再会は本人が8月からすると言っているので、多分覚悟を決めて戻ると思うから、このパニックはないことを祈る。

 

Vitamin Aも、ずっと同じような事があった。自分のできない事が認められず、悔し泣きして、怒りだす。こちらはまた違った意味でコントロールが難しい。褒めても「私の気を惹こうとしているでしょ?本当は全然良くない」と素直じゃない。最近ティーンの終わり頃になって、以前より人の話を聴けるようになってきた。「自分のことを褒めてくれる、自分の知らない自分のこと、良い言葉も受け取れないで、どうやって幸せになるの?」という言葉を投げかけたら、こちらは友達にも同じことを言われたらしく、最近は1歳半からの反抗期を少し緩和中。年齢と共にサバイブしている。

 

詳しくはこちらの本訴ご参照ください。

 

 

『子供の敏感さに困ったら読む本』

長沼睦雄署 

誠文堂新光社

 

敏感過ぎるのは、弱さやわがままではなく、生まれ持った「気質」です

敏感気質の考え方、生かし方

敏感過ぎるは、才能である!

児童精神科医が教えるHSC との関わり方