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コロナの副産物・生徒編

今週から対面レッスン再開!もう気分は最高!

 

3ヶ月に及ぶ長いオンラインレッスン。今月末までは、、、とまだオンラインを希望されている生徒さんもいる事はいるのですが、レストランのリオープンを聞いて、希望者の方々に限って対面に戻すことにした。

演奏と、表情と、音が一度に感じられるって本当に素晴らしい。

 

リモートレッスンでの副産物

 

1)生徒の独立性

楽譜を準備して、レッスンの注意事項を自分で書き留めて、、、説明は全て言葉で聞いて答えて、私の書いたメモを写す。楽譜のこの部分、、、とお互い画面に移しながら見せ合うこともある。普段気が散ってしまう子も、スクリーンの中に集中すれば良いと分かっているので、指使い、姿勢、テンポ、ハーモニーなどなど一つづつ区切って説明すれば小さいスクリーンからも伝わった。思ったより何倍もスムーズに進んだ。ただお互いの表情が見えないのと、音の厚みというか流れというかが、全く読めないので、その辺りの想像力がかなりたくましく育ったと思う。

 

2)感情を伝える手段

表情でうまく伝えられないので、褒めるのも、注意するのもちょっとした演技が必要。簡単に言えば、絵文字をそのままジェスチャーにする感じ。上手くいったら拍手。オッケーサインは親指を上に立てる。声のトーンも、低くても高くても聞こえないし、ゆっくり交代で話さないといけないし、どちらかかと言えばせっかちな私は、かなり鍛えられたと思う。

 

3)録音のテスト・リサイタル

春から夏にかけてのメインイベントが全て録音になった。大学の受験も録音になった所もある。普段練習でもセルフチェック録音を勧めているが、動画の出来が最終的に評価されると思うと、それはもう、ただただ自分との戦い。自分が納得度が、テストやリサイタルの仕上がり度に直結するからだ。審査委員の評価は後で来るとしても、達成感などの諸々はその個人の仕上がり満足度で決まってしまう。

面白いのがそのプロセスで、全く個性が現れる。どこまでも完璧を追い求めるタイプ、私のオッケーをもらえれば幸せなタイプ、その大変さを追い求めることを辞退するタイプ。スタジオでも生徒のバーチャルリサイタル(動画編集リサイタル)をやってみたが、大変さを追い求める彼ら、彼女らには、今回は達成感を重視する様に、自分に厳しいタイプの子には厳しすぎず、自分に甘いタイプの子には甘すぎず。どちらにしても何度も撮り直しお願いするのは心が痛かった。

 

生音レッスンでの気付き

 

1)と 2)の全てが、一瞬でわかるということの素晴らしさ。言葉を選んで、長々と伝えなくても良い。一回見せて聞かせれば、指使い、姿勢、テンポ、ハーモニーなど一度に伝えられる。強調したい場所は「指先を見てね、腕を見てね、バランスを聞いてね。リズムとタイムングを聞いてね」と、リモート時代の習慣で前置きしておけばより伝わることにも気がついた。タイミングのアジャストメントも肩を軽くタップしてあげれば伝わることもあるし、一緒に弾いたらすぐ気付いてもらえたり。特に短旋律の管楽器はデュエットしたり、ピアノでハーモニーや伴奏がついたら、いつものアカペラが生き返る。何よりもレッスン後の疲労感が違う。

 

3)空間の広がりは、スピーカーから流れる音からでは殆ど伝わらないということ。久しぶりに聞く生徒たちの生音の素晴らしさ。音の強弱や間の取り方は感情に直結する部分で、それらの伝わり具合は空間の残響を通して決まるので、それらを伝え合いたいときは、本当に生に限る!